合併症に対する日常管理ポイント

合併症のある患者さまは、日頃気を付けておかなければならない注意点について覚えておきましょう。

腹水や浮腫(むくみ)のある患者さま

  • 毎日、体重を記録しましょう。
    (体重増加は、腹水や浮腫の悪化を示します。)

  • 1日の塩分摂取量を5g以下に控えましょう。

  • 1日の水分摂取量を1リットルに控えます。
    (低ナトリウム血症がない場合は、制限する必要はありません。)

  • 発熱や腹痛があるときは、ただちにご担当の先生にご相談してください。
    (生命にかかわる腹膜炎になっている可能性があります。)

腹水や浮腫(むくみ)のある患者さま

肝性脳症のある患者さま

  • 便秘を予防するようにしましょう。
    (便秘は消化管内のアンモニア産生を高め、脳症の原因になります。)

  • タンパク質の摂取量は、1日の決められた量を守りましょう。
    (1日のタンパク質摂取量は、標準体重1kgあたり0.4~0.6gに制限します。)

  • ごうせいとうるい(ラクツロース、ラクチトール)やぶんアミノ酸 (BCAA)と呼ばれるアミノ酸を含んだお薬を服用します。
    (合成二糖類は腸内のアンモニア産生と吸収を抑制し、BCAAは肝臓のエネルギー不足を補います。)

肝性脳症のある患者さま

食道・胃静脈瘤のある患者さま

  • 定期的に内視鏡検査を受けましょう。
    (自覚症状がないため、消化管の状態を定期的に観察する必要があります。)

  • 便の状態や色に注意しましょう。
    (静脈瘤の破裂が血便としてあらわれることがあります。
    とくに黒色便には注意しましょう。)

  • 刺激物を大量に食べることは控えましょう。

  • 腹圧のかかる動作(重いものを持つなど)は避けましょう。

食道・胃静脈瘤のある患者さま

出血傾向がある患者さま

  • 出血したときは、傷口を強く押さえて圧迫止血を行ってください。
    (肝硬変が進行すると、血を固める成分である血小板やぎょういんの合成機能が低下し、血が止まりにくくなります。)

出血傾向がある患者さま

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